物質工学実験I 後期
(2008.02.01 試験)
今年は、いままで使用していた教科書(培風館「基礎定性分析実験」岩崎岩次、谷道哉)が、出版社の都合で入手できず、必要な部分のみをプリントで配布しました。勉強の上では少し不便をかけたかなと思います。
また、実験の流れでは、陽イオンの各個反応を見たあと、第1属、第3属、第4属と勉強し、最後にまとめとして陽イオンの分離分属を行いました。分属の流れをおさらいし、各属の反応をきちんと覚えて理解しているかどうかの確認になったのではないでしょうか。
レポートでもかなり苦労したようですね。でも、これからも、実験にはいつもレポートがつきものです。レポートをまとめなければいけないから真剣に観察をし、真剣に考えて実験をするので、得られる部分というものも多分にあるはずです。
1年生の実験の最後に、後期に行った実験や反応に関する試験を行いました。また、時間が余った人には、次のようなアンケートに記入してもらいました。
Q1. 物質工学実験I(後期)で行った実験で、一番心に残ったのはどんな実験ですか。また、それは何故ですか。
Q2. 物質工学実験I(後期)を履修してみての感想や希望など、なんでも自由に書いてください。
1年生のみなさんに答えてもらったアンケートの結果は下に列挙した通りです。
だんだん「実験らしい実験」になってきて、その難易度も少しあがりました。始めての実験で見慣れないことを学んだり、失敗してしまったり、一生懸命がんばったりしたこと、また逆に、おもいのほかうまくいったりしたことが特に印象に残っている、と答えてくれた皆さんが多かったと思います。綺麗な色や予想外の変化などを示すお気に入りの物質や反応を見つけてくれた人も何人かいました。
また、失敗もただ失敗におわらさず、なぜそうなったのかを考えたり、どうやったら上手くいくのかを考えたり、など、失敗から学ぶことも多かったと思います。なにか問題にぶつかったときにどう解決していけばよいかということは、なかなか難しいけれど、ごくありふれていて、そしてとても大切なことです。これを考えることができたということも、皆さんにとってとても良かったことだと思います。
自分の手で器具や試薬に触れてみて行った実験が楽しかったという感覚は、私自身が化学に進もうと思ったきっかけの1つでもあります。1年生の皆さんも、今回、実験が楽しかったと感じることができたなら、その気持ちを大切にして、もし将来どこかでつまずいても、実験や勉強は楽しいものなんだ、ということをもう一度思い出してもらえればうれしいです。(中島)
Q1 物質工学実験I(後期)で行った実験で、一番心に残ったのはどんな実験ですか。また、それは何故ですか。
- 一番最初の陽イオンの分属の実験。当時の自分にはものすごく本格的な実験に思えたから。
- 最初の分属の実験で、その試験管の多さにとまどった。
- 陽イオンの分属。今までの実験の中で最もスムーズに進んだから。
- 第1属陽イオン各個反応の Pb2+ にクロム酸カリウムを入れたときの黄色の沈殿が良かった。
- 第3属陽イオンの分離検出の実験。予想していた結果と同じになってうれしかったから。
- 第3属陽イオンの各個反応でした。何故なら Fe3+ の方は反応がでやすく、生成した沈殿が色あざやかなものが多く印象に残ったからです。
- 第3属陽イオン分離検出の実験が心に残ってます。理由はすべての実験の中で一番実験の反応や観察が順調に進み、楽しかったからです。
- ヘキサシアノ鉄(III)と Fe3+ との反応。とてもキレイだったから。
- 第3属陽イオンの分離検出。今までの実験の内で一番長く居残った(大変だった)から。
- Fe(OH)3 の色が好きなので、3属が楽しかった気がします。
- 第4属の分離。
- 第4属陽イオンの分離検出で、蒸発乾燥させて純水を加えたこと。失敗して予定通りの色が出なかったけど、レポートの考察がたくさん書けて充実した。
- 第4属の各個反応。美しい反応が多かったから。
- 第4属の分離検出。塩化コバルトに水を加えていろが変わるのが良かったから。
- 第4属陽イオンの分離検出。失敗してやり直したら、結果はあまり変わらなかったけど、途中の変化が全然違ってびっくりした!!
- 4属の実験でわりと身近な塩化コバルト紙と同じ変化が見られたこと。
- 第4属陽イオンの分離検出。なかなかうまくいかなくて大変だったけど、最後にはちゃんと Co2+ と Ni2+ が確認できてよかった。Ni2+ の各個反応のピンクの沈殿がすごく鮮やかで印象に残ってます。
- 黄色結晶性の沈殿(← ヘキサニトロコバルト酸カリ K3[Co(NO2)6] かな? ナカジマ補足)がきれいにでたのが一番印象に残っています。
- 一番心に残ったのは、第4属陽イオンの分離検出です。理由は、この実験では物をたおしたり、割ったり、けがをしたりする人がいたので、自分も気をつけないといけないと思ったからです。
- 第4属の分離の実験。1度も失敗をしなかったから。
- 陽イオンの分離検出。何回も失敗したから。
- 陽イオンの分離分属。何回も失敗したので、他の実験よりも成功したときの喜びが大きかったから。
- 一番最後に行った1属〜6属すべての陽イオンを混合して行った分離分属実験。すべてを理解した上で行えたので、とてもよく理解できた。イオンの特定もできた。
- 一番最後の陽イオンの分離の実験。亜鉛イオンが出にくかったから。
- 陽イオンの分離分属。6つものイオンを分離したときに達成感があった。
- 陽イオンの分属。さまざまな試薬で陽イオンを分属していく操作が楽しかった。
- 一番最後にやった「陽イオンの分離分属」です。なぜならいちばん最初のときと、やっていることは同じなのに、自分の中での理解度が飛躍的に上がってて、実験でどんな反応がおきているかなど頭に思いうかべながらやるのがたのしかったからです。
- 検液「x」の分離。なかなか思い通りの反応をしなかったり、炎色反応により、ナトリウムイオンの判別があったから。
- 一番最後に行った「陽イオンの分離分属」。最後にやったこともあるだろうけど、なかなか反応が見られず、最後の最後、蒸発乾固をして沈殿が見えた時、すっごく嬉しかったから。
- 一番最後の陽イオンの検出分離実験。今迄に行った1、3、4属の分離実験のまとめであり、各属ではなく全てのイオンを分離する実験だったので一つ一つの操作が楽しかったから。
- 最後の実験が心に残った。失敗したから。
- 各個反応が全体的に印象に残っている。同種の陽イオンを含んでいるのにもかかわらず、加える試薬によって色などの外見、生成物の性質が変化するというのはなんとも不思議だと思う。
Q2 物質工学実験I(後期)を履修してみての感想や希望など、なんでも自由に書いてください。
- 前期よりも色を観察する実験が多かったので楽しかった。失敗したときはとてもショックだったけど、原因を調べて考える分、理解が深まったと思う。レポートにも少し慣れてきたので嬉しかった。
- 調べてみてもいまいちわからないことが多かった。薬品が手につくこともけっこうあった。しかし、楽しかった。
- それぞれの操作に対する反応などを予習してきていても、実験を行うと、必ずと言っていいほど問題が見つかって、その問題を解決することは大変だったが、そこがおもしろいところだったと思っている。むしろ問題にぶつかり、それを解決していくことで理解が深まれば、そのほうがよりよいと思う。
- 実験が成功する時はうれしくて楽しかった。
- 聞いたこともないような試薬について新たに知ることができて、K科実験にさらに興味を持つことができた。時間があったら第2属、第5属陽イオンの各個反応&分離検出もしてみたかったと思いました。
- 化学との平行がたいへんだが、知識が深いと楽しみが得られた。平衡とか。
- 様々なイオンの反応を見ることができたので、とても楽しかった。イオンの分属は大変な事だと感じた。他のイオンの反応も見てみたいと思う。
- とても楽しかったです。
- 実験室の居ごこちがよかったです。希望としては、日常的にふれる、身近なもので実験ができたら楽しそうだなぁって思います。
- 高専に入って初めて化学者らしい実験ができると喜んだけれど、同時に一つ一つの実験が困難の連続だった。しかし、同時にとても興味を持つことができ楽しんでできたと思う。有意義な一年間だった。
- 分離は苦労した。
- もう1回やり直したい。切実に。自分の頭の悪さがどれくらいの程度か気付くのが遅かった。ってことに昨日の夜気付いた。
- 操作がマンネリ化してしまったので、もっと自分で考えて実験を行うべきだったと思った。レポートも同様。
- 試薬(H2Sなど)は時間がたつと、実験に問題があるということがよくわかった。今後はそういう細かいところまで、ミスのないよう慎重にやっていきたい。
- 自分の観察眼、反応が予想通りにいかなかったときの対処法などから自分の力不足を感じました。来年度は修正するところは修正して努力したいです。
- 予想通りの結果にならなかったとき、どこが悪かったのかを考えるのが大変だった。
- 実験はとてもむずかしかったがやりがいがあった。そしてレポートは鬼のようにキビしかった。
- 実験は好きですが、レポートがあるため素直に楽しんで実験することができません。
- レポート提出をもう少し遅くして欲しい。
- レポートを書く際、化学反応が難しく、書けないことがあった。
- 実験ノートへの事前の書き込みに反省点が多かった。2年(になれたら)からは、一つ一つ慎重にやっていきたい。
- このテストむずかしい。テストやさしくしてください。もっと勉強しとけばよかった。
- 自動試験管洗い器がほしい。
試験およびアンケート実施:2008.02.01